老いの何だか切ない日々のポエム画廊喫茶

朝起きて今日一日が始まるコーヒーを淹れるときめき。残りの人生、毎日全力投球。

詩「かまど猫」


ススと灰とで かんろく
顏も手足も からだじゅう
いつもまっ黒 かまど猫
ある朝のこと お母さんが
ご飯をたきに 起きたとき
ねぼうしたのか おおあわて
かまどの中から 飛び出して
いちもくさんに 
にげて行ったそうな
おばあさんから聞いた
むかしむかしの台所


ススと灰とを コートに
耳もシッポも ひげまでも
いつもまっ黒 かまど猫
みんな眠りに ついたころ
夜中こっそり やって来て
灰の温みで ぬくぬくと
かまどの中で ぐっすり
灰をベッドに
寝ていたそうな
おばあさんから聞いた
むかしむかしのお話