老いの何だか切ない日々のポエム画廊喫茶

朝起きて今日一日が始まるコーヒーを淹れるときめき。残りの人生、毎日全力投球。

ドライカレーは秋の香り

ドライカレーは 秋の香り
初めて食べた 喫茶店の
想い出の香り
二十歳前 十九の時だった
王子の アパートへ帰る途中
仕事帰りに ときどき寄った喫茶店
坂道を少し上った 道路脇にあった
街路樹に植えられていた木は
初めて知った名 マロニエ
店の名前も「マロニエ」だった


でも 実際に
マロニエの花を見たのは
ずっとずっと後の
五十を過ぎてからだった
大きな公園で 春に見上げた
見上げながら
十九の時に初めて食べた
ドライカレーを思い出した


顔の近くにあった
枝を引き寄せて
マロニエを嗅いでみた
スパイスの香りはしなかった







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