老いの何だか切ない日々のポエム画廊喫茶

朝起きて今日一日が始まるコーヒーを淹れるときめき。残りの人生、毎日全力投球。

喫茶店の想い出その2

17歳で働き始めたけれど
半年後には サボることを覚えた
汽車かバスで通っていて
会社の始業時間は8時30分
そんな早い時間に サボる場所はと言えば
城址公園か 喫茶店だった
会社の人に見つかりにくいのは
バスで通うことだとわかった
一度バッタリと街中で
先輩たちと出くわしたことがある
仕事先へ向かうところだったのだろう
まともに顔が合ってしまった
当然みんなに知らされて
社長の耳にも入ったはずだ
翌日 ドキドキしながら会社に行った
だけど 誰もそのことに触れもせず
社長からも注意されなかった


バスで降りた停留所の近くに
「トリコロール」と言う喫茶店を見つけた
木造の狭い階段を上がった二階にあった
モーニングサービスはまだ無かったように思う
それでいつもコーヒーを注文していた
流れてる音楽はステレオから
FM放送のクラシック音楽が流れていた
クラシック番組の無い時間は 
LPのクラシック音楽の
レコードをかけていたようだ


クラシック音楽なんて家で聴いたこともない
家では藤圭子やザ・タイガースなどを聴いていたから
初めて体験する異空間の雰囲気であった
音楽を聴いてるわけじゃなかったし
興味もなかったのだけど
何かしら居心地は良かった


早い時間で 客は僕意外には1人か2人
昼になると増えて来ていたから
もしかしたら ランチを出していたのかもしれない


(明日へとつづく)